【シングル】対面構築偽装壁ニンフィアバトン【真皇杯関西予選2使用構築】
おきよです。ブログ更新も兼ねて今回はひさしぶりにシングルの構築記事を公開します。先日の真皇杯関西予選2で使用した構築になります。
結構がっつり書いたので長文ではありますが、ざっと目を通していただけたら幸いです。
↑配置はこんな感じ。。。
【コンセプト】
バトン搭載バシャーモ入りの対面チックな構築を使っていた時に、これに壁バトンのギミックをハイブリッドしたら面白そうだと思ったのがこの構築の原点である。バトンと言っても最近流行りの加速1積みをスイクンやボルトロスにバトンするのではなく、ニャオニクス+バシャーモ+ガルーラ(エーフィ)のように壁要員+バトン要員+全抜き要員で構成したいわゆる壁バトンのギミックを偽装できないかと考えた。そこで壁はり要員として採用したのがニンフィアである。
壁ニンフィア自体は1年前くらいに一時期使っていたことがあったが、クレッフィやニャオニクス、ライコウといった壁はり要員に比べて展開する上の障害が多く、運用が難しかった(要するに弱かった)。
そこで今回は、最近の対面構築を偽装することで、バトン展開を阻害する一部のポケモンを抑え(何より意表がつけるという文句がこのコンセプトを貫く上で非常に都合が良い)、バトン選出ができないパーティに対しては幅広い相手をカバーできる高スペックポケモンで対応できるということに気づき、この構築を組むに至った。
今回はいわゆる厨パ(ガルーラ・ガブリアス・ゲンガー・ボルトロス・スイクン・バシャーモ)のスイクンの枠をニンフィアに変更した並びを使用した。
ニンフィア・バシャーモ・ガルーラを表選出とし、バトンが選出できない場合にボルトロス・ゲンガーを軸とした汎用性の高い裏選出を用意。実際には裏選出には表選出に特化したニンフィア・バシャーモ以外の4体から選ぶことになる。
【個別詳細】
(採用順に紹介します)
ニンフィア @ ひかりのねんど
特性: フェアリースキン
ハイパーボイス / あくび / リフレクター / ひかりのかべ
201-x-121-130-150-89
ずぶとい H244 B196 S68
HB:A182ガブリアスのじしん96.04%で2回耐え=A200鉢巻ハッサムのバレットパンチ確定耐え
この構築の最大の地雷枠にしてパーティ全体のギミックを通すための始動役。
1年前くらいに壁バトンを考察していた時期があり、その時に御蔵入りとなったニンフィアを思い出して採用した。
このポケモンを採用した理由は、
1.何より意表がつける。もっと説得力のある言い方をすれば、「バトン展開を阻害するポケモンの多くを選出抑制することができる」という点である。
2.同時に、選出画面上高火力のフェアリー枠に見えるので、バトン展開の起点となる鋼ポケモンなどを選出誘導できる。
3.スタンを偽装できる(今回は対面寄りの構築に偽装)。
4.十分な耐久力によりほぼすべてのポケモンの対面で仕事ができる。
5.「あくび」による起点回避が可能。
6.フェアリースキンによってある程度の火力を確保することができ、フェアリーとして最低限の仕事もできる。
1、2の選出誘導に関してはデメリットもあるが、それについては後述。
配分としては、実際に特殊アタッカーを相手にする機会はゲンガー以外にほとんど無く、H201-D150ラインで特に困らないため、HBに厚い黄金のH201-B121ラインを採用。残りは60族に確実に先制するためにSに振っており、実戦ではその恩恵を多く受けられたように思える。(H159調整のギルガルドと同速になってしまうのが実に惜しい) (脚注※1)
運用としては相手の攻撃に合わせて壁を張り、そのまま捨てるorバシャーモに素引き。一部の高火力ポケモン以外には2回壁を張ることができる。
危険な積みアタッカー(剣舞ファイアロー、リザードンXなど)に対しては(ラムだろうと)2ターン目は「あくび」で流すことも考える。
有利対面が取れた場合、裏のポケモンが安易に読めている場合(ギルガルド交代)は優先的に「リフレクター」から入る。又、こちらからすれば壁ターンの消費が最も痛手なので、数ターン先まで考えながら強引にバシャーモを投げる動きもたびたび行う。
HB
A182ガブリアスのじしん96.04%で2回耐え
A200鉢巻ハッサムのバレットパンチ/A222ギルガルドのアイアンヘッド確定耐え
HD
C192メガルカリオのラスターカノン/C222メガゲンガーのヘドロウェーブ確定耐え
特性: かそく
ビルドアップ / まもる / バトンタッチ / ほえる
183-x-122-x-90-116
ずぶとい H220 B164 S124
HB:B+1でA146鉢巻ファイアローのブレイブバード高乱数耐え
S:+1で最速105族抜き抜き、+2で意地スカーフガブリアス抜き
ギミックの中核、壁バトン用のバトンバシャーモ。壁下ビルドアップで脅威の物理耐久力を生み出す。
調整は有名な配分から拝借した(脚注※2)
壁下ならば弱点わざを一回は耐えることを利用して「まもる」「ビルドアップ」を積む。積む順番、タイミングは壁ターンを考慮しながら、最終的なランクの状態を計画しながら慎重に行う。
「ビルドアップ」「バトンタッチ」は確定で、ガブリアス・ランドロスを意識した「まもる」。4枠目にはガルーラやボルトロスへの打点を入れるか悩んだ結果「ほえる」を採用した。「ほえる」は壁ターン消費を狙って積みわざを使ってくるポケモンを流すだけでなく、バトン構築を「ほえる」「ふきとばし」で見ている相手を返り討ちにすることができる。具体的には、バシャーモを見て必ずと言っていいほどカバルドンやスイクンに交代されるので、すかさず「ほえる」を押すと同じ優先度の上を取って流すことができる。ねっとうやじしんが選ばれた場合は軽く耐える上弱点保険が発動、「あくび」された場合は次のターン「バトンタッチ」すればあくびの効果はなくなる(※「あくび」の効果はバトンタッチによっては引き継がれない)。又、バトンする対面を操作するのにも使え、壁バトン構築には非常に有用なわざだと感じた。
持ち物は「じゃくてんほけん」「ラムのみ」が候補だが、今回はファイアロー対面で強引にバトンできるじゃくてんほけんを採用した。
特性: きもったま → おやこあい
おんがえし / じしん / いわなだれ / みがわり
197-159-100-x-100-128 → 197-192-120-x-120-138
いじっぱり H132 A236 S140 (みがわりのHP:49)
S: +2で最速スカーフガブリアス抜き抜き
H: B+2壁下でA194メガガルーラのすてみタックルが40~49
先述のバシャーモのビルドアップ、加速のバトン先として採用。構築のコンセプト上相手をこのポケモン1匹で3タテすることになる。
採用理由は単純に強いからというわけでなく、
1.2回攻撃によるタスキ、がんじょう、みがわり貫通
2.十分な耐久力&わざ範囲
という性能を買って採用に至った。
全抜きするという観点で、このわざ構成で完結しているといっても過言ではない。+2でワンパンするためのおんがえし、鋼への非接触打点としてじしん、この2ウエポンを補完し、火力が足りない場合に51%で突破できるいわなだれ。そして、でんじはやおにびを透かし、クレセリア、ナットレイ対面で安定となるみがわり。「からげんき」も候補だが、おんがえしでないと困る場面も多い。
Sは大方のスカーフが抜けるラインまで振り、突破力を上げるためにA振り。この程度Hに振るだけでビルド2回、壁下でA194ガルーラのすてみタックル程度ならみがわりが残るようになる。ビルド2回+壁で物理耐久が単純計算で4倍になるので、素の状態でメガガルーラがワンパンされない物理攻撃ならみがわりの起点にすることが可能。
実際、このポケモンで3タテするのが気持ちいい。
裏選出としても、みがわりを搭載したHAベースのガルーラとして選出できる。配分がバトン先を想定している以上、実際のところ若干の汎用性・単体性能を削いでいるものの、裏選出の選択肢としては信頼できるポケモンであった。
ゲンガー @ ゲンガナイト
特性: ふゆう → かげふみ
たたりめ / ヘドロばくだん / さいみんじゅつ / みちづれ
147-x-89-162-96-178 → 147-x-109-202-116-200
おくびょう H92 B68 C92 D4 S252
選出操作、構築の偽装、裏選出のエース。初手、あるいは後述のボルトロスと合わせてたたりめで突破をはかる。「さいみんじゅつ」の採用は、バトン選出ができない場合、この構築の特性上ニンフィア・バシャーモ以外の4体で相手のポケモンを見ることになるので、倒せる範囲を大幅に広げるためのもの。例えばカバルドン展開(カバ単体ならバトン選出できるが、それに加えて無理な相手がいた場合)には積極的に催眠ゲーを仕掛けることになる。
「みちづれ」は裏のガブリアス、ガルーラの一貫を作る、ガルーラやゲッコウガと1対1交換を狙うのがこの枠の仕事なので切れなかった。構築全体で害悪処理に乏しいため「ほろびのうた」も一考。
構築に入っているとHDアロー、ボルトロスを読んでしまうのが欠点だが、このポケモンによって表選出しやすくなっている面もあるので一長一短。
特性: いたずらごころ
10まんボルト / めざめるパワー氷 / でんじは / いばる
155-x-90-177-100-179
おくびょう C252 S252 H4 (※当日にはB28(実数値89)の非理想個体を使用)
選出誘導兼裏選出の基幹。ストッパーの役も兼ねるCSタスキボルト。先述のゲンガー同様、広い範囲の相手を限られた駒で突破するために「いばる」を搭載している。裏選出は有利な確率ゲーを絡めた対面選出としているため、「いばる」採用は理にかなったものだと考えている。
裏選出の場合、耐久地面がおもすぎるので「くさむすび」が欲しいところ。
ガブリアス @ こだわりスカーフ
特性: さめはだ
183-200-115-x-106-154
いじっぱり A252 S252 D4
裏選出の対面構築の地面枠として最後に自然に入ってきた、何の変哲もないガブリアス。表選出の第二のバトンエースともなるヤチェガブリアス、メガガブリアス、マンムーも一時期試したが、裏選出にはこのもちものの方が使いやすかった。(ちなみに、バトン先としてのマンムーの制圧力はなかなかであったが、一応両壁がある程度認知されているポケモンであるという点が偽装というコンセプトにとって都合が悪い)
4枠目のわざは「ねごと」あたりと選択だが、ほのおのキバでないと困る場面がまれにあった(主にハッサム)ので先人の知恵のとおりほのおのキバのままとした。
【選出について】
1.表選出 壁バトン展開が可能
2.バトン選出不可能→裏選出から3体
【使用感・雑感】
壁バトン自体はイージーウィンを狙える強力なコンセプトパーティであるが、実際はゲームエンドまでの展開を読んで計画的に立ち回る必要がある。ただ、それでもかなり多くのパーティに対してバトンが刺さり、偽装の恩恵としてバトン対策ポケモンも選出されないケースが多く、思惑通りであった。
・課題
この構築はニャオニクスやラティオスなどと異なり、一発耐えて壁を張る以上、初手のポケモンの型によっては壁張り要員が即死するケースがある。
HBに厚く振っており、A194ガルーラのすてみやハッサムの鉢巻バレパンまでは耐えるのでほぼ確実に壁が張れるのだが、
・初手「珠」ゲッコウガのダストシュート(珠以外なら確定耐え)(裏選出でもラムかげうちが重いのでゲンガーで1対1交換を狙いたいほど)
・初手S90以上の早い「珠」ガルドのアイアンヘッド(珠以外なら確定耐え)
・初手メガガルーラの「猫+すてみ」(A194すてみは確定耐えなので「猫+すてみ」の型以外はバシャの起点にできる) (実際ゴツメ警戒してくれることを祈って突っ張るが、意外と何とかなる) ←この構築の欠陥
この3匹に関しては型をお祈りすることになるという点がこの構築の弱さであり、構築を公開した理由の1つ。
もう1点、この構築の弱さは「壁急所」が致命的であるという点である。
先日の真皇杯関西予選2の戦績は4-3という振るわぬ成績であったが、その日は3回壁急所を被っており、負けた3戦のうち1戦は選出ミス、他の2戦は急所によるいわゆる運負けであった。
もちろん急所が負けに直結するようなパーティを選択した私が悪いのだという覚悟の上で使う必要がある。
このようなリスクを負う必要があるというのがこの構築を公開するに至った所以である。
【最後に】
長文・駄文失礼しました。
特に大きな実績を残した構築でもありませんが、コンセプトに可能性を感じたことは間違いないので、読んだどなたかの構築のアイデアの一助にでもになれば幸いです。ではまた!
【Reference】
※1) http://tsukajun0622.blog.fc2.com/blog-entry-17.html
※2) http://borutonogudora.doorblog.jp/archives/37071951.html